【生活支援員】ただ就職の支援をするだけじゃない。人の人生が変わる瞬間に立ち会える仕事

JR上尾駅東口から徒歩3分のところにある、障がい者福祉サービスの就労移行支援事業所チャオ上尾。現在チャオ上尾では、障がいや病気を持つ方の自立や就労移行支援をサポートする支援員を募集しています。チャオ上尾で生活支援員として働く木谷さんは、もともと就労移行支援や福祉業界は未経験とのこと。そんな木谷さんがチャオ上尾で働くことになったきっかけや、利用者さんとの向き合い方など、たくさんお話を伺いました。

チャオ上尾で就労移行支援の仕事に就こうと決めたのには、どのような経緯があったのですか?

この仕事の前は学童保育の先生をしていました。知的障害や発達障害、学習障害のある子どもたちの担当です。一人ひとりの個性に寄り添いながら面倒を見させていただくのは、とてもたいへんでしたけど、どの子も純粋で本当に可愛くて。短い間でしたが、とても貴重な経験でした。

チャオ上尾との出会いは幼なじみからの紹介です。当初、就労移行支援事業はまったく知らない世界でしたが、希望であった正社員として働けることと、学童での経験を活かせそうだと感じたことから、入社を決意しました。また、当時まわりにうつ病で苦しんでいる方がいたのですが、その方と接するうちに、この仕事への興味が湧いていったような気がします。実は私自身も両親の離婚をきっかけに心に傷を負い、当時の仕事が出来なくなってしまいました。心が傾き、深く落ち込んだ経験があるからこそ、さまざまな事情を抱えている方の気持ちに寄り添えるのではないか。そう思いました。

何より私は性格上、人と話したり明るく接するのが大好きなんです。就労移行支援は、一人ひとりとまっすぐ向き合い、不安な気持ちに寄り添う仕事。私にもできるかもしれないと感じました。

就労移行支援の現場で、今までの経験が活きたと感じる瞬間はありますか?

私はかつて心を傾けた経験から、利用者さんの気持ちには深く共感できる部分があります。利用者さんが抱える就職への不安や戸惑いの気持ちが、痛いほど分かるんです。

チャオ上尾は私のような経験を持つ人もそうでない人も、互いを認め合いながら働ける場所です。これは、今の時代が目指す「多様性を認め、すべての人が支え合える社会」そのものだと感じています。そんな場所で私の経験が活かせるのなら、本当にうれしいです。

社会はたしかに厳しいです。それでもここにはさまざまな経験を持つ人たちがいて、お互い支え合っています。そんな環境だからこそ、私も利用者さんも、一歩ずつ前に進んでいけるのだと思います。

利用者さんと向き合う中で、とくに大切にしていることはなんですか?

私がもっとも大切にしているのは、自己開示です。チャオ上尾で定期的に開催している勉強会「チャオカフェ」では、利用者さんが心を開き、恐れずにコミュニケーションが取れるよう、まずは私から話すことを心がけています。また、どの勉強会でも「今日は話したくなければ話さなくていい」「相手の話を否定しない」などのルールを決め、自分のペースで参加していただけるよう工夫しています。

時には2時間の勉強会のうち、1時間近く私の失敗談を話したこともあります。私のことばかり話すのは少し恥ずかしくもありますが、先に私から心を開くことで、少しずつみなさんも自分のことを話していただけるようになるんです。それまでずっと無口で大人しかった方が、「前の職場はたいへんだったけど、仕事自体は楽しかったんですよ」と、前向きに過去の話をしていただいたこともありました。そうやって一人ひとりが自分の言葉で語り始める様子や、一歩踏み出す瞬間に立ち会えるのは、本当にうれしいものです。

シリーズで取り入れているセミナー「知ってるようで知らないカタカナ用語」という勉強会を開催しているのですが、これ実は、私自身が知りたくて企画したんです。資料を作ったり調べたりするのはたいへんですが、原動力は私自身の「知りたい欲」と「伝えたい欲」ですね。セミナーでは利用者さんと一緒に新しいことを学んでいけるので、いつも楽しみにしています。

未経験から始められた木谷さんから見て、この仕事の魅力はどんなところにあると感じますか?

この仕事の魅力は、自分自身のどんな経験も人の役に立つことだと思います。たとえそれがつらいものであっても、それを乗り越えてきた強さや、相手の心の痛みがわかる感受性、そういうものがこの仕事には活きるのだと分かりました。

日々起こる利用者さんの小さな変化には、いつも心を打たれます。エレベーターに乗ることすら怖かった方が毎日通えるようになったり、人と目を合わせられなかった方が自分から挨拶できるようになったり。多くの方には想像できないような困難を乗り越える利用者さんの強さに、私たちの方が励まされてしまうんです。

スモールステップ、ベビーステップでいいのです。私たちは「こうでなければいけない」「こうしなきゃだめだ」とは言いません。その人が出せる一歩をしっかりと後押しし、共によろこび合える。そんな温かな瞬間に毎日出会える仕事です。

この仕事は、「若い人にはむずかしい仕事」と言われることもあります。たしかに年齢を重ねてさまざまな経験を積んだ人の方が、利用者さんの痛みがよく分かるかもしれません。ただ、たとえ若い方でも、人の悲しみやよろこびを分かち合える方なら、きっと大きなやりがいを感じられると思います。

具体的な日々の業務について教えてください。

生活支援員として働いていますが、日常の生活支援だけでなく、就職の支援をする就労支援の仕事も行なっています。生活リズムの相談から面接への付き添いなど、それぞれの利用者さんの状況に合わせて、幅広く支援しています。

先ほどお話ししたセミナーやグループワークの企画運営も、支援員としての私の仕事です。社会に出る際に必要な知識やスキルだけでなく、「なるほど」「そうなんだ」と言ってもらえるようなテーマはないか、いつも熟慮して企画を考えています。私も新しいことを学ぶのは好きなので、支援する側される側という関係ではなく、一緒に学び合っているという感覚です。

このように仕事の内容は多岐にわたりますが、すべては利用者さんの自立した生活のため。その思いを持って、日々の業務に取り組んでいます。

チャオ上尾の職場としての雰囲気はいかがですか?代表の庄司さんの印象などもお聞きしてもいいでしょうか?

チャオ上尾では毎日朝と夕方の2回、スタッフ全員でミーティングを行っているのですが、「〇〇さんにはこう声かけしようと思うのですが、どうでしょうか」といった具体的な相談から、「△△さん、今日は少し元気がないみたいです」といった些細な気づきまで、思ったことは遠慮なく話せる雰囲気です。

私自身、福祉の仕事は未経験からのスタートでした。でも、人と向き合う仕事の経験や、さまざまな人生経験が思いがけないかたちで活きています。学童保育で支援が必要な子どもたちと関わった経験も、今の仕事の大きな力となっています。

庄司さんは常に笑顔で、いつも元気いっぱいです。その明るさと前向きな姿勢は、職場全体に広がっています。天真爛漫な庄司さんのおかげで、新しく入ったスタッフも経験豊富なスタッフも、みんなが自分の意見を言いやすいのだと思います。だからこそ、利用者さんにとって本当に良い支援とは何か、みんなで真剣に考えられています。

過度な負担や残業もほとんどなく、「もう時間だよ、帰って帰って」と声をかけ合うような職場です。人と向き合う仕事だからこそ、スタッフのことも大切に考えてくれているのだと思います。私の場合は、勉強会の準備が楽しくて家でも考えてしまうことがありますが、プライベートの時間もしっかり確保できる仕事です。

埼玉で、上尾市で働く魅力はどういったところにあると思いますか?

上尾市は東京に近いながらも、ゆとりのある暮らしが魅力です。若い方の多くは東京の大学に進学し、そのまま就職されるケースが多いようですね。でも、地元で働くというのは、すばらしいことだと思います。地元には温かい人たちがいて、そんな地元でだれかの支えになる仕事に携われている今は、とても充実しています。

東京は皆さん足早で、忙しそうだなぁという印象です。でも埼玉には適度な距離感があって、人との関係も心地よい。支援員という仕事はまさにこの土地柄のように、ゆとりを持って一人ひとりと向き合える仕事です。都会過ぎず田舎過ぎない、この絶妙なバランスだからこそ、きっと自分らしく働けているのだと思います。

最後に、木谷さんが思うこの仕事の意義について教えてください。

仕事をするということは、その人の人生において大きな意味を持ちます。とくに生きづらさを感じている方にとって、仕事は単にお金を稼ぐ手段以上の価値があると思うのです。私たちの仕事はその方の人生に寄り添い、社会とつながるきっかけを作ること。たとえ小さな一歩でも、その人らしい形で社会参加できるよう、支援することです。

どんな仕事でもそうですが、就労移行支援の仕事は楽しさもありますが、むずかしい仕事だと思います。それでも利用者さんの笑顔を見られた時、就職が決まった時、そのよろこびは何物にも代えがたいものです。この仕事の素晴らしさは、だれかの人生に寄り添えること。そして、その方の新しい一歩に立ち会えることだと感じています。

新しい世界に飛び込むのは、たいへんな勇気がいることです。それでももし、少しでもこの仕事に興味を持っていただけたなら、いつでもご連絡いただけたらと思います。

編集後記

インタビュー、記事執筆を担当させていただきました、清水です。

お話の途中で、利用者さんが作ったという切り紙を持ってきてくれた木谷さん。なかなか就職に気が向かなかった利用者さんでしたが、木谷さんとの共通の趣味をきっかけに、ある会社のハンドメイド部門の実習に参加してくれたそうです。特別な資格やスキルがなくたって、今まで自分が生きてきた経験がだれかの支えとなり、背中を押し、もしかしたら人生を変えるお手伝いをすることができる。就労移行支援という仕事がそんなお仕事だとわかり、すっかり心があったかくなったのでした。

インタビュー・執筆:
清水海斗
撮影:
岡田健太
Produce:
ティラノ・クリエイティブ・アーツ株式会社

この記事について

職種についての記事 【生活支援員】ただ就職の支援をするだけじゃない。人の人生が変わる瞬間に立ち会える仕事
社名
就労移行支援チャオ上尾
業種
  • 福祉
職種
  • 生活支援員

会社紹介

会社のイメージ

就労移行支援チャオ上尾

チャオ上尾は利用者さんが楽しく元気に通える事業所を目指しています。チャオはイタリア語の挨拶ですが、出会った時にチャオ!別れる時にもチャオ!と挨拶します。そんな風に来ていただいた利用者さんを笑顔で迎え入れ、チャオ上尾で元気になってもらい、ご自分に合った就職先へ笑顔で送り出す、そんな事業所にしたいのです。

所在地
埼玉県上尾市上町1丁目-5-5 青木ビル3F
ホームページ
https://www.ciao-ageo.com/

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株式会社ひなたや代表
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埼玉県さいたま市北区宮原町
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ティラノ・クリエイティブ・アーツ株式会社代表
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